最近回復どころか傷を深めているけど

んま、全部失ってもいいさ。ダメ人間の道を突き進んでもいいさ。
オトナの俺は全部失う覚悟も決めてあの人のことを好きなったんだ。あのクズガキは本当にガキだから、「人を好きになる気持ちは自分でどうにかできるもんじゃない」なんて恋愛の専門家みてぇな生意気な口をきいていたけどさ。俺は自分が傷ついてもいいくらい人を好きになるかどうか位はコントロールできる。今までもそうだったさ。俺が選んで「たとえお互いに傷つくことがあっても愛していられる相手」だと思ったから自分で傷をつくりながらも愛したのさ。
と、思うとふと、結果的にではあるが俺はとんでもない相手に愛する人を譲ってしまったと思った。あのガキ本気で人を好きになったことなんてないんだろうと思いはじめた。本気で人を好きになるってのは色々と傷ついたり、悩んだり、自分の足りないところに苦悶したり、ともかく苦しい思いをする。その苦しさを癒せるのは本気で好きなった相手だけだ(ときに他の人でごまかすこともあるが、それはまやかしにしかすぎない。そこに逃げ込んで幸せと感じている人は不幸だと言って過言ではない)。だからこそ相手がとても大事な存在と知る。そして、その苦しみを抜けた先にある愛情であるとか幸せというものは他の何ものにも換えがたい至福の存在だ。その苦しみを知るからこそ、互いにいたわりあえるのだ。だから、本気で誰かに恋愛する誰かに自分の保身のために他人を攻撃するなんてのはホンモノの愛情を知らない冷たい人間のすることだ。つまりヤツは俺のいうホンモノの愛情ってやつをしらない。もっというと俺ほどはあの人を愛してはいない。ヤツがあの人のために自分を犠牲にするとは思えない。一言でいうならば、ヤツがあの人のことを好きだとは到底思えない。ただの縄張り意識で他者の侵入を拒んでいただけだ。
そして、もうひとつ後悔しだした。どうせならあの人にも俺の爪あとを残しておけばよかった。一生立ち直れないくらいに爪あとをつけておけばよかった。そうすれば、俺の生きた証は残される。どうせ満たされない愛ならば、それくらいしておけばよかった。俺はそういう人間さね。相手に傷がのこっても自分の生きた証を残したいのだよ。一生忘れないでほしいのだよ。憎まれていてもいいからずっと愛されていたいのだよ。
なんか、しばらく相手の幸せと自分の幸せが一致していないように思っていたせいだろうか。色々と中途半端なことをしてしまった。後悔だらけだ。やるせない。
今まで俺は何回も失恋して何人にも愛という名の大きな爪あとを残してきた。それが重みに感じていたのも確かだし、生き方を変えたから自分で自分の牙をぬこうとしていたのも確かだ。でも、それは間違いだったのだ。
俺はジャズミュージシャンを目指していた。記録に残ることよりも、記憶に残ることを目指していた。芸術家気質の両親の影響だろうか、ミュージシャンとは川原乞食だと教え込まれて、そう信じていた。俺の人生はそんな裏街道の人生だと思っていた。
それをミュージシャンをあきらめたから、表街道を歩かなければならなくなったからと牙を抜きにかかったのは間違いだった。どんな生き方をしていても俺は俺だ。やっぱり俺と過ごした時間はみんな濃密に過ごしてもらいたい。愛情だって濃密なのだ。それは、普段の無口な俺からは想像もつかない程濃密だ。
俺には悪い癖がある。それは我慢することだ。忍耐は美徳ではないと本当に思う。もっと傷つけておけばよかった。もっと自分にも傷をつけておけばよかった。中途半端だったんだ、最近の俺。忍耐の方向がずれてきてたんだ。
みんなの「和」なんか考えても、そんなものが長続きするわけがない。人の気持ちは永遠ではないのだ。それよかいかに濃密な時間をすごせるかを考えるべきだった。守りに入っていたのが間違いだった。相手が傷つこうが、一生立ち直れなくなろうが、もっと爪あとを残すべきだった。
このままじゃ、俺が消えていく。
願わくば俺の濃密な愛情が少しでもあの人に伝わっていて、今頃心のどこかにスキマ風が吹いていることだ。それがあればいつか俺とやり直したいと思ってくれるかもしれない。
そして、もうひとつ後悔している。しつこいまでに体も求めておくべきだったよw 若いあの人を知っていると知っていないとでは違うよなw おばさんになって始めてやり直そうといわれても引くよw 中途半端に若いころを知っているだけにねw その途中がないとか悲しいw もっというなら、その間を他の人と積み重ねられたら目も当てられんw 15年後にイキナリとか絶対ありえねーw 今を知って、共有してこそ15年後40年後でも心地よく愛せるってもんだろ。ってか、俺若い娘さんの体しらねーw お金払ってするのはそれりの年齢の人ばっかだし、最後までとなると俺の甲斐性じゃ無理だw それに、俺もかなりの年になってそうだしな。苦労ばっかしたから死んでるかもしれんしな。俺がそんなに長く生きているとは思えない。
ともかく守りに入ったらおしまいだ。なんとか攻めに転じなければ。
んま、気がつくの遅いといううわさもあるけどね。もう、待つしかない状態だしな…。攻めの恋愛するなら他の人相手になるかもな。やり直すなら俺の全てをあの人に注ぎこみますよ。あの人にあったやり方でね。ともかく、今度は攻めです。