夢、傷口

失恋ショックがもどってきた。
ずっと同じ夢をみている。あの人の夢である。
あの人に「このままでいいの? 本当にこれでいいの?」といわれる。昨日までの俺は何も言わなかった。しかし、今日夢の中で言葉につまりながらも「このままでいいわけないじゃないか。つらいよ、とってもとってもつらいよ」と答えたのだ。朝起きると昨日までの麻痺した感覚はまるでない。思いっきり鬱になってる。あの人の痕跡をさがしまくる、すがろうとする。あの人のことばかり考えている。
でも、少なくとももう後戻りはできないのである。もう、俺はあの人の彼氏と仲良くすることはどだい無理だ。もう、顔をあわせたくない。俺が思いっきり顔にドロをぬってやったし彼も同じことを考えている可能性は高い。それに、もう仲良くしたくない。俺が色々我慢しすぎたので、彼に対する憎しみをかなり増幅させてしまったのだ。会えばまた、心の奥底に憎しみを抱くことになる。だから、コミュニティーを飛び出したのだ。もう、あの人と愛し合うためにはあの人に追いかけてもらうしかない。彼と別れて。でも、それは贅沢な望みなのもわかっている。でも、そこにわずかな希望を見出して飛び出すことでしか、自分を維持できなかった。これ以上あそこにいてはあの人をとんでもなく憎みはじめていたかもしれない。一生にのこる悪夢を残してしまったかもしれない。いや、すでに悪夢を残してしまったかもしれない。むしろ、これ以上の悪夢を残すのがいやで俺が自分自身の人生に終止符をうっていたかもしれない。もう、ほかに選択肢がなかったのである。人を愛することでつらくなるのはもう嫌なんである。だから、自分の行動に後悔はしてない。あのときああしていれば、とかああなっていればなんて考えていない。俺は俺のベストを尽くした。つらくてもこれがベストの選択だったのだよ。
だから、現実を生きなければならないのだよ。あの人が俺を追いかけてくれているとは思えない。俺は俺に都合のいい夢をみているに過ぎない。
どちらにせよ、また時間を無駄に浪費すればあの人をいつか憎むことになる。立ち直らなければならない。いつでも、心を安定させておきたい。実験第2弾にふみきるしかないのだろうか。