人間回復かもね

人間イメージできないことはできないといいます。とくに習い事をやったことのある人は体に刻み込まれているほどよく知っているかと思います。
俺も習い事をやっていたのでそのことはよく知っています。んで、今まで何を一番イメージしてきたというと。人に食われない人生、人にバカにされない人生、お金に苦労しない人生、女を泣かせない生き方とかそういうのばっかり。つまり、何々をしないというイメージばかりだったことにきがつきました。
唯一能動的にイメージできたのはミュージシャンになろうと決めたとき。ああしよう、こうしようと言う計画がありました。でも、全部挫折。気がついたときには後戻りできないところまできていたのですが、最後の賭けにも失敗して今に至っております。
その、ミュージシャンになろう計画を立てたときになぜか、ミュージシャンとして大成するまえに愛する伴侶をみつけておこうというのがありました。俺のクソ親父のように社会的地位を利用して女を口説くような卑劣な真似はするまいという思いでした。
俺は親父は最低最悪の男だったと今でも思っています。あの男の何がいいのかいまだに分かりません。背も低ければ、風呂にもろくすっぽ入らない。わがままで横暴で酒癖が悪く、食事のマナーも悪い、稼いだ金は全部自分の飲み代に使うような男です。
その男が外で女を作れたのは社会的地位と家族に持って帰るべき金を外で使っていからに違いないというのが俺が子供のころからの推測です。
だから、社会的地位やお金があれば誰でもついてくると思っているのですよ。そして、その社会的地位を築くことや、お金を稼ぐことから逃げていたのかもしれない。ホリエモンも金があれば「ある程度は」女の人はついてくるといってたしね。
自分の魅力で勝負してみたかったのですよ。
でも、そんな甘いものじゃ、誰もついてきてくれはしなかった。だのに、いまだにそこにこだわり続けている自分がいる。
そこで、分かったことがある。俺が求めているのは一緒に生きていこうと、一緒にがんばろうといってくれる女がほしいだけだ。俺の存在を認めてくれる誰かが必要なだけだ。逆に言えばそれさえあればがんばっていけそうだ。だから、そのことを機軸にこれからの人生を設計しなおせば、まだなんとかなるかもしれない。
でも、世の中がそんなに甘いもんじゃないのは分かっている。よっぽどの努力が必要だ。俺ももう、いい年だし。条件は厳しい。誰かの家庭も幸せももうこれ以上壊したくない。相手はかなり若い人じゃないと無理だ。でも、そこをなんとかクリアしていかないと俺の幸せは存在しえない。
でも、まだ戦わなければならないのですよ。あのクソ親父の幻影と。
親父というのは仕事でいつくかの作品を残した人でした。その親父の作品にはプラトニックな美しい恋愛が描かれることが多かったのですが、俺は親父本人のしていたことはそのま逆のことだと認識しています。親父の作品が嘘であると、胸をはって世間様に謝りたいのですよ。うちのバカ親父が嘘をいっぱいついて皆様にご迷惑をおかけしました、親父の作品は幻想どころか虚実であり、まったくありあえないものです。本当に迷惑をかけましたと。
まずはここからはじめようか、親父のファンに見つかったら謝罪しよう。ひたすら頭をさげよう。「ご迷惑をおかけしましたと」。
そうやって自分の存在を確かにしない限りは正しい恋愛もできない気がしてきた。人間ときに回り道も必要だ。